養生法の意味、最初にやるべき大事な事 1

運気アップ“気象と健康の専門家”  コン ノブゾウです。

今回から、本格的に東洋医学の原典であります、
「黄帝内経・こうていだいけい」という医学書の冒頭から順に
本来の東洋医学の養生法の解説をしていきます。

「黄帝内経・こうていだいけい」は今から約2000年前の
漢の時代に完成し、時代とともに更に完成度が増した書籍です。
鍼灸も気功も漢方薬もこの書がすべて原典になっています。

漢の時代に完成した薬なので「漢方薬」と言うのはおなじみと思います。
それに「薬膳料理」も同じ理論でできています。

「黄帝内経・こうていだいけい」は、
不老長寿や養生法を説いた「素問・そもん」と、
症状の変化や診察法・治療法を書いた「霊枢・れいすう」と言うものから成り
両方とも「81編」あります。

今日は、養生法中の養生法ともうべき最初の所から訳していきます。
専門家の皆さんも見られていますので、最後に原文をのせておきますので
照らし合わせながら読まれると良いとおもいます。

第1編の前半部を紹介します。
これが皆さんの健康の出発点です。

昔の人は100歳を過ぎても元気だったのは何故?

                         
◆ むかし、むかし黄帝と言う、その土地だけでなく他の地域からも尊敬される人徳をそなえた聖人とも言うべき王がいました。
この黄帝は自然の法則を知り、心も行動(神霊)にも智慧があった。

黄帝は幼いときから生まれながらにして、
人間離れした明晰な頭脳の持ち主で、赤ちゃんの時には既に大人の言葉を理解した。

幼少でありながら頭脳明晰で、成長してからは、
ますます行いに嘘偽りの無い「誠」をさとり、
ついには帝王にまで登りつめたのでした。

◆黄帝は質問した。
余はかねがね、大昔の人々は年を取って百歳を過ぎても、体の動作は衰えなかったと聞いている。
ところが今時の人を見ると、五十程度の年齢でも、
体の動作は衰えてヨボヨボしてくるのは一体どうしたのであろう?
それは時代のせいなのだろうか?
それとも何か大切な物を失ったせいなのであろうか?

◆医学者である岐伯(ぎはく)が答えて言うには、
大昔の人々は、自然の道理を知って、太陽と月に従う陰陽の法則に乗って生活をした。

そのより所を天文の動きと、その数値を現す暦を
上手に生活に取り込んで(天文暦数)、
春夏秋冬の四季の流れに調和し、飲食に節度を持ち、寝起を正しく、
妄りに心身を過労させるような事をしなかったので、
肉体も精神も調和が取れており、百年の寿命を全うさせたのです。

自然な生き方

今の人は、不自然な生活をしております。

水を飲むように、みだりにお酒を飲んで酔っ払って女性を求め、
欲情のままに精力を消耗し、生の泉の真気を失ってしまう。
精力も尽き、気力も集中力も下がっています。

 すべてに満足することが出来なくなると心神は乱れ、
欲望のままに快楽を求めることに奔走し楽しい反面、
疲れてしまい毎日の寝起きに節度が無く成り、
五十歳になると身体は衰え老化が急激に進むのです。

こう言う急激な老化や寿命を更に進めない縮めない為に、
大昔の聖人と言われる政治を司る者は、
一般庶民を普段から教育していたのです。

それは、人の生命を無闇に消失させたり、
身体の円満な働きを損なうよう病気の原因となる、
邪風(じゃふう)と言うものを避ける方法を教えたり、
その邪風の吹く時節を暦法で知って、前以て予報したりしたものです。

この邪風とは一言いいますと「季節に合わない天気気象」のことです。
春は「温暖な風」、夏は「熱い風」、秋は「涼しい乾燥した風」、
冬は「寒冷の風」が正常ですが、その季節に合わない風が吹いたときは、
その正常な風も、病気を引き起こす邪風となってしまいます。

急に寒くなったりすると、風邪を引いたり、お腹を壊したり、頭痛・めまい、
血圧の変動、腰痛や神経痛などです。すぐに周りの天気に左右されてしまうのです。
これが最近言われている「気象病」です。

最初にお話した不摂生な日常の生活がたたり、
老化を早め若さを失うのです。

この季節に合わない「邪風」の影響を受けないためには、

心を静かにして、無闇やたらと欲望を起こさなければ、
生命の泉である一番たいせつな命の基である真気は、
その人の体内を隈無く巡り、身体を正しく運営することができるのです。

此のようにすれば、五臓の精気で、生命活動の根本である心の元気(神気)と、
体の元気(腎の精気)は充実して体内をがっちり防衛するので、
病を起こす邪気は侵入する事はできないのです。

何がなんでもやらなければと言う、度を越えた気持ちを起こさず、
ノンビリと、欲望は少なく、心を安泰にして物事に動かされず、
何事も恐れず、肉体労働をしても疲れ果てるような無理をしなければ、

血管の中を流れる気(榮気)と、肉体を造って守ってくれる(衛気)は
共に順調に体内を運行できるのです。

欲望を常に少なくコントロールできる者は、
心がいつも満足の状態でいられます。
腹八分目で「あ~ぁ美味しいなあ」と思えばお腹も整い、
糖尿病の原因となるすい臓や脾胃は満ち足りて避けれます。

服装も与えられたもので不足と思わず、
それぞれの境遇に満足して楽しく暮らせるのが健康です。

身分の上下の者が、互いにその地位と生活を羨むことがなければ、
上は下を痛めることはなく、下は上を蔑ろにすることはなく、
その結果、社会は円満に治まるもので、
人民は真に素朴と成ることができるのです。

このような社会では、人は誘惑に負ける事なく、
羨ましいように見える見かけの楽しみも、
その心を惑わすことはない。

愚かな者も、知恵のある者も、賢い者も、つまらない者も、
皆、平等に何物にも恐れる事がないので、
大概は百歳を越えても老衰することは少ないものです。

人間としてあるべき心得を全うすることが出来るので、
肉体もそれに従って安泰なのです。

日常生活が、命と老化、若さと自然治癒力のもとなのです。
この目安とするところが、
「自然の道理」を知って、「太陽と月に従う陰陽の法則」に乗って生活をすること。
そのより所を天文暦数を現す暦を上手に生活に取り込んで、
春夏秋冬の四季の流れに調和し、飲食に節度を持ち、
寝起を正しく、妄りに心身を過労させるような事をしなかったので、
肉体も精神も調和が取れており、百年の寿命を全うさせたのです。

次回につづく・・・

 原 文
◆上古天眞論篇第一.
昔在黄帝.生而神靈.弱而能言.幼而徇齊.長而敦敏.成而登天.

廼問於天師曰.余聞上古之人.春秋皆度百歳.而動作不衰.今時之人.年半百.而動作皆衰者.時世異耶.人將失之耶.

岐伯對曰.
上古之人.其知道者.法於陰陽.和於術數.食飮有節.起居有常.不妄作勞.故能形與神倶.而盡終其天年.度百歳乃去.

今時之人不然也.以酒爲漿.以妄爲常.醉以入房.以欲竭其精.以耗散其眞.不知持滿.不時御神.務快其心.逆於生樂.起居無節.故半百而衰也.

夫上古聖人之教下也.皆謂之虚邪賊風.避之有時.
恬惔虚無.眞氣從之.精神内守.病安從來.
是以志閑而少欲.心安而不懼.形勞而不倦.氣從以順.各從其欲.皆得所願.
故美其食.任其服.樂其俗.高下不相慕.其民故曰朴.
是以嗜欲不能勞其目.淫邪不能惑其心.愚智賢不肖.不懼於物.故合於道.所以能年皆度百歳.而動作不衰者.以其徳全不危也.

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